前回のダイジェスト


Mission 15 Duell ―逆襲の狩人b


夜の街        東京タワーすら明かりを消している真っ暗な街に、特殊治安部隊の車のライトだけが        明るい。        その中を走る一人の少女。巴さくら。        見つからないように隠れていると、路上で声が聞こえた。      男「放せ!触んじゃねーよっ!」        男はガスマスクをした隊員に両手をつかまれ、ジタバタしていた。        そこへ、もう一人隊員が現れる。     隊員「どうした」      男「なんだよ!ちょっとぐらい外に出たっていいじゅねーかよっ」        無言で男を殴る。     隊員「いかんなぁ、国家の決めたことを守らんと。それが国民の義務だ。運べ!」        それを見つめているさくら。
自現党ビル(外)        空にはヘリ、ビルの周りも隊員が行き来している。 (音声のみ)  レポーター「ここ、自現党本部では、特殊治安部隊による、物々しい警備が続けられています」        ビルの入口付近を取り囲む部隊。        ビルの側に立っているレポーター。  レポーター「今回のテロ対策として鷹取総理は、この特殊治安部隊を全面に押し出す方針を明らかに        しました。就任後間もない、鷹取総理の強権発動に対し、早くも野党側からは、内閣不        信任案提出の声も上がっており…」        そこへ突然隊員達がカメラを塞ぎ、レポーターを退かそうとする。  レポーター「ちょっ…ちょっと、あんた達!何するんですか!」
総裁室        机に着いている玲司。        ドアをノックする音。     玲司「入れ」        ドアが開き、二人の隊員が、両手を後頭部で組んだ修一を連れて入ってくる。     隊員「連行しました」        机の前まで連れていかれる。     玲司「お前の方から私に会いに来るとは珍しいな、修一」     修一「あなたに、言っておきたい事がある」     玲司「奇遇だな、実は私もだ。兄弟水入らずで話したい。席を外してくれ」     隊員「しかし!」     玲司「ボディチェックは済んでいるんだろ。何かあったら、すぐ呼ぶ。        顔を見合わせる隊員。     玲司「私の命令が聞けんか!」        玲司に怒鳴られ、慌てて立ち去る。     玲司「これで、心置きなく話ができるな」        修一は無言で玲司を睨みつけている。     玲司「怖い顔しなさんな、私はお前に礼を言おうと思っていただけだ」     修一「礼、ですか」     玲司「お前達のおかげで、武力介入しやすくなったからね。この国を掌握するのにかかる時間        が最短で済んだ。何と言ったかな、お前達の組織…」     修一「ヴァイス」     玲司「そうそう、今やそのヴァイスとやらが、捕まろうが捕まるまいが、私には関係ない。        現在の状況を利用し、治安維持法その他の法律を改正して、私の権限を絶大なものにし        この国を支配していく。はっはっは」        それを聞きながら、修一はスーツの袖からゆっくり銃を取り出す。     修一「そんなことは、させません!」         手を降ろし、玲司に銃を向ける。     玲司「お前の話とは、これか」     修一「兄さんを、処刑しに来ました」
自現党ビル(外)        ヴァイスの4人が乗った車は、怪しまれず検問を通過する。     ケン「レベル1クリアってところか」     オミ「まさか、僕達が乗り込んで来るとは思ってないんじゃない?」    ヨージ「気ィ抜くなよ。ここは魔王の城なんだぜ」
総裁室        玲司に銃を向けている修一。動じない玲司。     玲司「はっはっはっ。所詮お前も鷹取の人間だ。血塗られた手。私と変わらん」     修一「兄さんとは、違います!」        玲司、腰を上げ、机に身を乗りだす。     玲司「どう違う。私が広史や雅史を使ったように、お前もヴァイスとやらを修羅の道連れと        しているではないか。何も変わらん!」     修一「違う!兄さんは自分の欲望の為に菊乃さんを…」     玲司「菊乃?」        言いながら引き出しに手を伸ばす玲司。     修一「動くな!引き出しの中に銃が入ってる事くらい、分からないと思いますか」     玲司「ほう、さすがだな。だが私は末期の一服がしたいだけだ。どうせお前に、殺されるんだ        からな」     修一「遠慮して下さい」     玲司「厳しい元長官だ」        おどけるフリをして、イスの下から銃を取り出す玲司。
病院(彩の病室)        周りの様子を窺いながら、病室に入るさくら。        ベッドに歩み寄り、彩の寝顔を見て立ち止まる。    さくら「これって…」
総裁室        さっきと同じ状況。     修一「SSと手を組んだ兄さんは、自分がのし上がる為に、罪もない人達を踏み台にしてきた。        あなたを恨んで死んでいった人達の為にも、私はこの手で、兄さんを処刑しなければ        なりません!」     玲司「その中に、菊乃も入っているのか」        一瞬の沈黙     修一「そうだ」        回想  幸せそうに抱き合う、若き日のキクと修一。            廊下を走る修一。部屋の襖を開けると、天井から首を吊っているキク。     玲司「あいつは心の病気だった。それで自殺した。私が世間体を考え病死としたのは、感謝        こそすれ、恨まれる筋合はないと思うが」        机の下で銃を持ち変える玲司。     修一「兄さんと結婚したのは、彼女にとって不幸だった。あなたの冷たい心に彼女は蝕まれて        しまったんです。自分の息子さえ見殺しにするような、悪魔の心を持つあなたに!」     玲司「悪魔とは聞き捨てならんな。私がいつ、自分の息子を見殺しにしたのかね」     修一「忘れたとは言わせません!鷹取衛。彼が誘拐されたとき…」        回想  縄で縛られ、犯人に蹴られ蹲る衛。            誘拐犯A「お前の親父はな、金など払わねぇって言ったぜ」            誘拐犯B「冷たい親を持ったな」            誘拐犯A「諦めるんだな」            怯える衛。     修一「衛は私が助け出しました。だが菊乃さんは、そのショックで自殺…」        そこで突然笑いだす玲司。     玲司「ふははははっ、こいつはおかしい、愉快だ。ははははははっ」     修一「何がおかしい!」     玲司「修一、貴様はまだ甘い。衛を引き取って、私への復讐の道具に仕立てたつもりだったの        か。教えてやろう。私が何故、衛の身代金を払わなかったのか、その訳を!」        玲司は握っていた銃を、見えない机の下で修一に向かって構えた。
草叢(?)        しゃがんで、端末のキーを叩いているオミ。     ケン「どうだ、オミ」     オミ「うん、上手くアクセスできるといいんだけど」        セキュリティーシステムにアクセスしているようだ。        隣にケン、後ろでヨージとアヤが見守っている。     オミ「繋がった!セキュリティーシステムのコンピューターだ」    ヨージ「データを書き換えられそうか?」        振り返るオミ。     オミ「分からない。何重にもプロテクトされてるみたいだから、時間かかるかも」        また下を向き、キーを叩き始める。     オミ「とにかく、やってみるよ」     アヤ「よし、後は任せた。オレ達は…」    ヨージ「行くか」     ケン「ああ」
自現党ビル(外)        ビルの脇に数台の車が止まっている。        ケンは車の下に入り、バグナグでガソリンタンクに穴を開けた。        地面にガソリンが流れ出す。     ケン「派手に燃えてくれよ」        流れ出すガソリンに向かって機関銃を撃つ。火はあっという間に上がった。        ケンは少し離れると、大声で叫ぶ。     ケン「火事だーっ。火事だぞーっ!」        ビルの正面玄関を固めていた部隊のほとんどが、その声の方に慌てて走っていく。        残っているのは二人だけだ。        そこへ、負傷したフリのアヤと、肩を貸したヨージが歩いてくる。    ヨージ「敵にやられた」     隊員「敵?どこだ!」     アヤ「ここにいる」     隊員「な…」        隊員達はスキをつかれ、簡単に倒れた。    ヨージ「頼むぜ、オミちゃん」        言いながら、入口のセキュリティロック(指紋の照合)に手のひらをあてる。        入口のドアは開いた。    ヨージ「よし行こうっ」        二人に続いて、ケンとオミもビルに入る。
自現党ビル内        再びシュヴァルツのいる部屋。        入口に男が二人監視している。        四人はただ黙ってソファに腰を下ろしている。        目を閉じていたクロフォードは、突然呟いて、立ち上がった。 クロフォード「来る」        他の三人も立ち上がる。        監視の男達は銃を構えた。    シュル「なーにもしやしねぇよ。武器も無いのにな」        シュルディッヒが話している隣で、ファルファレロがゆっくりと舌を出した。        そこには三本、針のようなものが刺さっている。        ファルの前に立っている那岐が、目を閉じ、力を集中させ始める。        と、勝手に部屋の明かりが落ちた。     隊員「お前ら、何をした」        怯える男達に、ファルファレロはさっきの武器を手に襲いかかる。

アイキャッチ:オミ CM アイキャッチ:アヤ

総裁室
       机の下の銃口が、修一を狙っている。     玲司「私が何故、衛が誘拐されたときに身代金を払わなかったのか。それはな修一、貴様の        せいだ。私が知らないとでも思っていたのかね。お前と菊乃の逢瀬を」        動揺する修一。     玲司「鷹取衛は私の子ではない。私の目を盗んで逢瀬を楽しんでいた修一、お前の呪われた        子供だ!」     玲司「菊乃を不幸にしたのは私だけではない。修一、お前もなんだぞ!        お前はあの子にオミとかいう名前を付け、暗殺者に仕立て上げたようだが、実は自分の        子供に人殺しをさせていただけなんだ!」        修一は驚愕して顔を痙らせている。     玲司「後悔なら…あの世に行ってからにしろっ!」        玲司は引き金を引き、机の下の銃口は、ついに弾を発した。        弾が突き抜けた机の穴から、白く煙が上がる。        修一はゆっくりと、俯せに倒れた。        玲司は立ち上がり、修一を見下ろす。     玲司「バカめ。そんな生温い気持ちで私に向かってきおって」        玲司は机上のボタンを押した。     玲司「ゴミが出た。早く、誰か片付けに来させろ」        ところが、向こうからは混乱の声が流れてくる。     玲司「何事だ!」     隊員「テロリストです!ヴァイスが暴れ回っています!」     玲司「何だとっ!」        さすがに驚いた表情の玲司。
廊下        下の廊下では、特殊治安部隊がむやみに銃を乱射している。        が、四人はその弾を躱しながら、隊員達を倒し、進んでいく。
自現党ビル(外)        さっきの火が燃え広がり、タンクローリーに引火、爆発を起こした。
総裁室        その振動に玲司はよろめき、足早に部屋を出ていく。
エレベーター前        玲司が上りのエレベーターに乗り、ドアが閉じるのと、四人がエレベーター脇の階段で        駆け上がって来たのは、ほぼ同時だった。        総裁室を見つけるが、玲司がエレベーターに乗ったことには気付いていない。     オミ「あった。ここだよ」
総裁室        勢いよくドアが開き、オミが飛び込んでくる。        素早くボーガンを構えたその先にいたのは、玲司ではなく、倒れた修一だった。     オミ「修一叔父さん!」        続いて三人が部屋に入ってくる。    ヨージ「どうした、オミ」        倒れている修一を見て立ち止まるが、ポカンとしているケンとヨージ。     ケン「誰だ。あれ」     アヤ「鷹取修一。ペルシャと呼ばれていた男だ」     ケン「え?」    ヨージ「あ?」
彩の病室        床に膝をつき、ベッドの脇で彩の顔を見つめるさくら。        そっと彩の頬に触れ、その手で自分の頬に触れる。    さくら「何で?何で私に頼んだの?アヤさん…」        眠っている彩。
総裁室        修一を抱き起こすオミ。        修一を挟んで、アヤ隣にヨージ、ケン。     オミ「叔父さんっ、しっかりしてよ!しっかりっ!」        薄く瞼を開く修一。オミを見上げる。     修一「オミか…」     オミ「叔父さん!生きてたんですねっ、すぐ病院に連れて行くから」      修一「無駄だ…私はもう助からない」     オミ「そんな…」        他の三人がいるのを確認する修一。     修一「全員揃ってるな。ヴァイスの諸君、最後のミッションを発令する」        聞き入る三人。(オミは映ってません)     修一「鷹取玲司を処刑せよ!ヤツはクリーパーやライオットなど下部組織を使い、暗殺や資金        を調達し、今の地位を手に入れた」     ケン「じ、じゃあ、加瀬が死んだのも?!」        加瀬を殺したときの回想。    ヨージ「すべては…そいつが原因か」        明日香が撃たれるシーンの回想。     修一「そして、無実の人間にぬれぎぬを…」        アヤを見る修一。     修一「すまなかった。あのとき、もう少し早く駆付けていれば、止められていたかもしれな        かった」        回想           玲司「やれ」             遠くから、こっちに向かって突然車が走ってくる。             そして彩を撥ね、十数メートル先で停まった。             後部座席の窓に向かって叫ぶ修一。          修一「兄さん、兄さん!」             窓を開ける玲司。          玲司「こんなところに何をしに来た、修一」          修一「何て事をするんだ、兄さん!」          玲司「これで、銀行で不明になっていた預金と、私への闇献金を結びつける糸は             なくなった。すべてはあの藤宮とかいう行員が、罪を背負ってくれることに             なる」          修一「他人に罪をなすりつけて、許されると思っているんですか!」          玲司「いいか、修一。世の中は決して平等ではないんだ。必要とされる人間もいれ             ば、ただ生きてる奴もいる。今回、私が前者で、たまたま死んだ行員が後者             だっただけだ」          修一「兄さん!」             怯えて震えながら、運転手が振り向く。         運転手「あ、あの…私は、どうしたらいいんでしよう…」          玲司「心配するな、ただの交通事故だ。よくあることだ。             警察に出頭しろ。腕利きの弁護士をつけてやる」             修一に目もくれず窓を閉め、車は走り去った。             怒りに震え、雨に濡れたままその場に立ち尽くす修一。        修一を見つめるアヤ。     修一「うっ…!」     オミ「喋らないで、叔父さんっ」     修一「叔父さん、か」        自分の腹部に添えられたオミの手を、そっと握る。     修一「オミ、すまなかった…」     オミ「え?」        涙ぐむ修一     修一「オミ…月夜野臣は、私が付けた名前だ…」        不思議そうに見つめるオミ。        修一急にオミから視線を外し、正面を向く。     修一「闇の白き狩人達よ、黒き獣の明日を…狩れ…っ」        息絶える修一。     オミ「叔父さん?叔父さんっ!叔父さぁぁぁんっ…」        修一を抱えたまま、泣きだすオミ。        それを見ながら、三人は立ち上がった。    ヨージ「いつまで泣いてんだ、ミッションは発令されたぞ」     ケン「早くしないと、ターゲットが逃げちまうぜ」        ようやく顔を上げるオミ。     オミ「…うん」        修一をそっと床に寝かせると、立ち上がり、被っていた帽子を投げた。
廊下        肩から銃をかけ、走る5〜6人の部隊。        総裁室のドアを開けると、正面にヴァイスの四人が並んで立っている。(いつもの服装)     アヤ「ミッションは発令された」     ケン「死にたくなかったら手を出すな」        相手が一斉に銃を構えた瞬間、四人は攻撃を仕掛けた。
自現党ビル内        シュヴァルツの部屋のドアを開ける玲司。        真っ暗な部屋で、四人がドアの方を向いて立っている。     玲司「お前らの仕事だ…ん?」        が、床に倒れている警備の男達に気付く。     玲司「これは…」 クロフォード「どうしました。ミスター鷹取」        平然としているクロフォード。        慌てて状況を説明する玲司。     玲司「私を殺そうとする奴等が、乗り込んで来たんだ。何とかしろ…」        玲司が言い終わらないうちに、クロフォードが答える。 クロフォード「残念ですがミスター鷹取、我々には、あなたを守る理由がない」     玲司「何故だ。お前等は私を守るために本部から来たのではないのか」    シュル「ケッ、調子のいい野郎だぜ。オレ達のことを、散々スパイ呼ばわりしたクセによ」     玲司「私は日本を牛耳った。本部の期待には、十分応えているはずだ!」     那岐「違いすぎるんだよ、僕達の考えとは」     玲司「何処が違う、何がだ」        焦る玲司。     玲司「どういうことだ。お前達の望みは何だ」    ファル「終宴の到来」        立ち尽くしている玲司の横を擦り抜け、次々に部屋を出ていくシュヴァルツ。     玲司「終宴の到来?何だそれは…お、おいっ!」        我に返って、追うように廊下に出るが、もう彼らの姿はなかった。        右を見てその後左を見る、と、誰かが歩いてくる。オミだ。        玲司とオミの目が合った。ハッとする二人。     オミ「…どうして、修一叔父さんを殺したんですか?凰華を、殺したんですか!父さん!」     玲司「お前に父などと呼ばれる筋合は無いっ」        そう言って背広の内側から、銃を取り出しオミに向けて発砲した。        慌てて壁越しに隠れるオミ。        そこへ数人の隊員が駆付ける。     隊員「総理っ!大丈夫ですか!」        玲司の前に塞がる彼らに、オミがボーガンを放つ。        そのうちの一人に命中。        が、その隙に玲司と残りの隊員は逃げ出した。        廊下を走っていると、また一人、今度は飛んできたワイヤーに絞められる。    ヨージ「明日香の敵は取らせてもらうぜ」        振り返ると、ヨージが立っていた。        更に玲司と隊員は逃げる。総裁室の前まで来ると、立ち塞がるようにケンが姿を見せる。        二人が立ち止まると、ケンは隊員をバグナグで切りつけた。     ケン「オレのダチが地獄で待ってらぁっー!」        彼は床に倒れ、とうとう敵は玲司だけになった。     ケン「あとはてめぇだけだっ」        と、横を見るが、もう玲司はいない。        そして総裁室の日本刀が、なくなっていた。
屋上        炎は激しさを増し、みるみるビルを飲み込んでいく。        玲司は必死で階段を昇っていく。        ようやく扉から屋上に出ると、頭上から声がした。     アヤ「鷹取玲司ーっ!」        刀を振りかざして飛び降りて来たが、玲司も持っていた日本刀を抜き、刃は音を立てて        ぶつかった。        睨み合う二人、押し合う刀。     玲司「そんな腕で私を斬るつもりかね?」
自現党ビル(外)         下では大騒ぎになっていた。消防車が集まり、人々が走り回る。        テレビの中継も来ている。       レポーター「自現党本部から、突如火の手が上がりましたっ!」        ビルを見上げ、呟くレポーター。  レポーター「中で何が起こってるんだ?」 
屋上        玲司とアヤの押し合いが続いている。        アヤ突き飛ばされ、地面に倒れるが、すぐに半身を起こした。     玲司「何者だお前は」     アヤ「お前に罪を着せられ、殺された藤宮の息子、蘭だ!」     玲司「藤宮?知らんな、そんな奴は」        アヤ起き上がり、再び斬りかかる。     アヤ「お前は忘れても、オレは絶対に忘れない!        刀のぶつかり合いが続く。再び地面に手を付き、また立ち上がるアヤ。     玲司「藤宮?そうか思い出したぞ、あの銀行員か。そんなつまらぬことでお前は私を狙うのか」     アヤ「お前から見れば虫けらのような人間でも、そこには…平和な家庭があった」     玲司「くだらん!くだらんわ!」        刀を構えたまま睨みあう二人。     玲司「どうした、逃げんのか。焼け死ぬぞ」     アヤ「お前も道連れだぁぁぁっ!」        玲司に斬りかかるが、またも躱されてしまう。逆に背中を斬られる。        再びアヤが立ち上がるが、目の前を炎に遮られる。        空にはヘリが来ていた。     玲司「どうやら迎えも来たようだ」        玲司は降りてきた縄梯子に手をかけ、アヤのいた炎の方を振り返った。        と、炎を切り分け、アヤが飛び出してきた。     玲司「何っ!」     アヤ「てぇぁぁぁぁっ!」        そしてアヤの刃は、玲司の体を突き抜けた。     玲司「ば…か…な…っ」        梯子を掴んでいた手が落ちる。     玲司「私には…まだまだ…やらねばならんことが…あるというのに…」     アヤ「お前のすることは、死んでいった人間への謝罪だけだ」        アヤが刀を抜くと、玲司はその場に倒れ、息絶えた。     アヤ「敵は取ったぞ…彩」        そこへ他の三人も集まってきた。        玲司の死体に目をやる。        オミが三人の方を向いて呟く。     オミ「ミッション…終了だね」        ビルは煙と炎に包まれ、燃え続けている。        四人は燃え盛る炎に包まれながら、いつまでも玲司の死体を見つめていた。
彩の病室        窓の外を眺めながら、彩の手を握るさくら。    さくら「アヤさん戻って来るかな」        彩の寝顔を見つめるさくら。    さくら「私達のところへ」